小さなクリニック「エムズ診療所」へようこそ。
こじんまりとしているけど訪れる人が安心できるよう、
ちょっとしたカフェのような雰囲気作りを心掛けています。
専門は泌尿器科と心療内科。
泌尿器系は、患者の方のデリケートなメンタル部分もケアできるように一昨年から併設いたしました。
私はそこの女性医師みずき。
6人のナースと、患者様が安心して治療に専念できるよう、あらゆる面でコンフォータブルなクリニック作りを心掛けています。
私の理想を目指す診療所にするために、実は表向きとは異なる業務もしているのはここだけの話。
それは………
世の秩序と風紀を正すべく、変態野郎の治療も行っていること。
満員電車で女子高生に痴漢しているスケベおやじ。
何度も強姦を繰り返しているのに警察の手からうまく逃げているレイプ魔。
うちのかわいいナースをストーキングする陰湿な変態。
図書館で調べものをしている私を、本棚の横からいやらしい目で追う学生風の男……etc
そんな、女性が怯えることをする輩を「変態狩り」と称して、診療所まで連行します。
私も含め、うちのナース達は合気道、護身術などもたしなんでいるので、こいつらを診療所へ連れて来るのなんか容易な事。
狩られた変態達の中には、何を勘違いしてか、スケベな笑みをたくわえてついて来るバカもいるし。
連れて来た変態「患者」には、特別な治療をほどこします。
変態な行為を繰り返さないための「おしおき」的治療ですね。
その患者の変態度合いや重症度によって、治療方法はいくつもあります。
患者に肉体的制裁を加える格闘療法。
女装させて屈辱的に嬲り、陵辱された女性の痛みを与える女装治療法。
激しい言葉責めのカウンセリングと腸内洗浄による、心と身体のデトックス療法。
多少荒療治ではありますが、さんざん治療をほどこした患者の多くは「もう二度と変態なことはしません」と土下座して謝ります。
本当に反省しているかどうか、目を見たら分かりますが、聞き分けのいい子には特別なおくすりとして聖なる水を飲ませてあげることもあります。
でもね。
変態はすぐに治るものではないの。
人間の欲望はコントロールが難しいから、
もし、また変態なことをしそうになったら「エムズ診療所」にいらっしゃい。
また「自分は変態で、もしかしたら何かしでかすんじゃないか」と不安をお持ちの方も、ぜひ治療に来ることをお薦めします。
ちなみに診療所の名前の「エムズ」は私の頭文字。
と、
変態を治療し、敬虔に私達に仕える「マゾヒスト」を育成したい想いを込めたものです。

※本文は一部フィクションです。